2.注意欠如・多動症(ADHD)
注意欠如・多動症(ADHD)は、「忘れっぽく集中できない(不注意)」「じっとしていられない(多動性)」「考える前に行動してしまう(衝動性)」などを特徴とする神経発達症(発達障害)です。
大人の神経発達症.jp 心の地図の歩き方HPより
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厚生労働省HP:発達障害の理解 American Psychiatric Association: DSM-5精神疾患の分類と診断の手引.医学書院.2019.p.8-9を参考に作成
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000633453.pdf
不注意
- 集中を保つことができない
- 物事をひとつずつちきんと終わらせられない
- うわの空でぼんやりしてしまう
- 忘れ物、なくし物が多い
多動性
- 授業中でも立ち歩く
- 手足をそわそわ動かしてしまう
- 話し続けてしまう
衝動性
- 相手の応答を待たずに話す
- 順番を待つ、我慢することが苦手
- 思ったらすぐ行動に移してしまう
注意欠如・多動症の現実
発達障害は、「注意欠如・多動症(ADHD)」と「自閉スペクトラム症(ASD)」が主要な疾患であるという記載をしました。このうち、数としては圧倒的に多いのがADHDです。いろいろな統計があるのですが、大人に占めるADHDの割合は低く見積もって2~3%、多いと4~5%という統計もあります。5%だとすると、かなりの数ですよね。日本で500万人以上はいることになります。
臨機応変に行動している人の場合は、計画的に物事を進めたり、重要なものを忘れないようしたり、TPOをわきまえるようにしたりして工夫しています。ところが計画的に物事を進められなかったり、単純な物忘れや単純な予定忘れなどが多かったり、TPOが難しかったり、感情のコントロールが難しかったりしている人の場合は、ADHDの傾向があると思われます。
これは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業等に支障をきたすものです。また、通常7歳前に現れ、その状態が継続するもので、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されています。
中にはASDを併せて持っているADHDの人も存在します。その人はどうでしょう?例として挙げられるのは、過集中で周りを見ていなかったり、他の予定を忘れていたりしているなどが多いです。人によっては、予期せぬ行動に移すことが多くなりやすいのも、ASDとADHDを併せ持っている傾向なのです。
ADHDは、以上の事で困りごとがよくあります。また、不安や気分の波などの精神的な不調(二次障害)を伴うこともあります。
発達障害者支援法が制定されるまで、ADHDの傾向がある人が知的障害(知的能力障害/知的発達症)として診断されることなく、現在も社会的な活動や学業等に支障が続いているのも現実です。
そしてADHDを持つ人でも、一生懸命に頑張ることが多いため、周りの人とうまく合わせることができないわけではないので、自分に合った方法で行動することができるようになります。自閉症スペクトラムでも記載しましたが、仕事には一人ひとりと共同で作業しているので、指示・質問・注意点を人から聞くことと、相手に報告・連絡・相談、そして確認することで、流れが成り立っているのです。
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